Grand Archive Lore|Diana 1 ー Creeping Torment ~忍びよる闇~
善意だけで、世界は救えるのだろうか。
Azothでは、進歩が止まることはない。
Alchemyは世界を変え、Automatonたちは文明そのものを書き換え始めている。だがその発展の裏側では、争いもまた静かに広がり続けていた。
そしてDianaは、その世界の中で“正しさ”を信じ続けようとしていた。
登場キャラクター

Diana
物語の中心人物。
Resistance側に立ち、Automatonと人間の共存可能性を守ろうとしている。

Claude
Imperial Alchemist。
Automaton Alchemyを発展させた人物であり、Dianaへ“Gloamspire Lance”を差し出す。
Azothにおける“進歩”と“現実主義”を象徴する存在。

Tristan Halifax
暗殺者・傭兵。
Obliviate側の依頼でResistance施設襲撃へ参加する。
Dianaへ“理想だけでは届かない現実”を突きつける存在。

Arisanna
Automaton研究に関わる重要人物。
Mercurial Heart研究や共存可能性を象徴する存在として描かれている。
勢力・組織
Resistance
Automatonと人間の共存可能性を守ろうとしている組織。
研究施設や資料保護、避難支援などを行っている。
Obliviate
World Seedを狙う危険勢力。
Alchemist不足を抱えており、Arisannaの研究やClaudeの知識を必要としている。
用語など

Gloamspire Lance
ClaudeがDianaへ差し出したUmbra武器。
感情を増幅し、力へ変換する。

Mercurial Heart
Automaton研究に関わる重要技術・存在。
Resistance施設では試作・再構築モデルが保管されていた。
World Seed
Azothへ大きな影響を与える重要存在。
Obliviateが強く狙っている。
Diana 1 ー Creeping Torment ~忍びよる闇~
A Dark Seed
空気そのものが脈打っていた。
ケースの中に収められたライフルからは、Umbraの闇がゆっくりと滲み出している。
黄金装飾の施された外装は美しく磨かれていたが、その輝きはどこか不自然だった。
銃身はランプの光を反射するはずなのに、まるで光そのものを吸い込んでいるように見える。
それでも、その武器は奇妙なほど美しかった。
ベルベットの敷布。
滑らかなグリップ。
影の中で浮かび上がる輪郭。
それら全てが、Dianaへ“触れてみろ”と囁いているようだった。
ケースの隣には、Claude が静かに立っていた。
両手を背中で組み、いつもの薄い笑みを浮かべながら。
「君の迷いを和らげる助けになればと思ってね。
善意の証として受け取ってほしい。」
Dianaは視線を武器へ向けたまま問い返す。
「……これは?」
Claudeは穏やかに答える。
「軍時代の戦闘データを元に設計した。
君の技量に相応しいライフルだ。
“Gloamspire Lance”と名付けた。」
だがDianaは、すぐには手を伸ばせなかった。
Claudeは帝国内で活動するAlchemistであり、その知識はResistanceにとって極めて重要だった。
Automatonの修復技術。
身体構造への理解。
軍用改造の情報。
それらは今もImperialの研究施設に封じられている。
Arisannaたちは限られた人員で研究を続けていたが、Claudeほどの知識を持つ者は少ない。
それにもかかわらず、彼は戦火を拡大させる側にも関わっている。
だからこそ、この密会はGloamspire Black Marketの奥深くで行われていた。
Claudeが武器の説明を始める。
その様子は、研究について語る Arisanna に少し似ていた。
実験について話す時の彼女は、いつも純粋に楽しそうだった。
Claudeもまた、この武器について語る時だけは、本当に嬉しそうに見える。
だが説明の内容は、Dianaにとって決して心地良いものではなかった。
Gloamspire Lanceは、感情をUmbraの力へ変換する武器だった。
戦闘の高揚。
怒り。
悲しみ。
憎悪。
それらを呪いとして増幅し、身体能力や射撃性能すら引き上げる。
Claudeは、それによって感覚が研ぎ澄まされると説明した。
感情に飲み込まれるのではなく、むしろ“明晰になる”のだと。
だがDianaは違和感を拭えない。
感情は利用されるべきものなのだろうか。
Claudeの説明には、
- 勝利の喜び
- 勇気
- 慈悲
についての話が一切なかった。
語られるのは、
- 怒り
- 憎しみ
- 苦痛
ばかりだった。
「もし感情が強すぎたら?」
Dianaは武器から目を離せないまま問いかける。
「こんなものが無くても、人は怒りや悲しみに飲まれることがある。」
Claudeは少しだけ表情を歪める。
「弱者ならそうだろう。」
彼の声には、わずかな苛立ちが混じっていた。
「だが私は、扱える者を見極めている。
君にはその強さがある。
……君の正義を、私は信じている。」
その言葉に嘘は感じなかった。
Claudeは本当に理解しているのだ。
DianaがAutomatonと人間の共存を願っていることを。
Azothへ平和をもたらしたいと願っていることを。
もし互いが理解し合えれば、世界はもっと良くなる。
Dianaは、本気でそう信じていた。
だがその瞬間。
ケースの中で、闇が彼女の鼓動に合わせるように脈打った。
Dianaはゆっくりと息を吐き、武器から目を逸らす。
もしClaudeが自分を信じているのなら、なぜこんな力が必要なのか。
信念を貫き続ければ、別の方法で強くなれるはずだ。
そう信じたかった。
「気持ちはありがたい。
でも、この贈り物は受け取れない。」
短い沈黙。
Claudeはそれ以上引き止めなかった。
「分かった。
必要になった時まで預かっておこう。」
そしてDianaは、夜のGloamspire Black Marketへ消えていく。
Spring at Dusk
Tristan Halifax の名を、Dianaも知っていた。
赤い髪を持つ暗殺者。
闇の中を滑るように現れる“死の前兆”。
二人はまだ顔を合わせたことはない。
だがその夜、Dianaは初めてTristanと対峙することになる。
Resistanceの隠れ家が漏洩した。
その施設には、ArisannaによるAutomaton研究資料が保管されていた。
さらに、Mercurial Heart(Automatonと人間の新たな共存可能性に関わる研究)の再構築試作モデルまで存在していた。
もちろん、それは完成品ではない。
ClaudeがどのようにWorld Seed(Azothそのものへ大きな影響を与える危険な存在)を利用したのかを理論検証するための、小型レプリカに過ぎなかった。
だが、それでも危険だった。
Resistanceは、この情報漏洩がObliviateによるものだと考えていた。
Empire側なら、研究施設ごと爆撃して終わっている。
だがObliviateには十分なAlchemistが存在しない。
彼らは、
- Arisannaの研究
- Claudeの知識
- World Seedへ接続する方法
を必要としていた。
避難が始まる。
研究資料の多くは破棄され、あるいは持ち出された。
そしてDianaは、自ら囮役を引き受ける。
Arisannaと話し合った結果だった。
少なくとも一人のChampionは避難支援へ回らなければならない。
ならば、もう一人が時間を稼ぐ必要がある。
Dianaは、自分が残ることを選んだ。
二人とも、外部の傭兵が来るとは思っていなかった。
Tristan Halifax
最初の一撃は悪くなかった。
Dianaは狙撃によってTristanを止めようとする。
だが致命傷には至らない。
その瞬間、位置を特定される。
風を裂く音。
短剣が耳元を掠めて飛び抜ける。
Dianaはさらに数発撃ち込む。
だがTristanは影へ溶け込むように動き、全ての射線を猫のような身のこなしで避け続けていく。
それでもDianaは、一度安堵する。
Tristanは防衛ラインを突破し、そのまま施設側へ向かわなかった。
少なくとも避難は間に合った。
あとは自分が逃げ切ればいい。
そのはずだった。
町外れの小さな空き地へ辿り着いた瞬間、再び風が鳴る。
Dianaは咄嗟に身を逸らす。
肩に走る激痛。
視界の端に赤い線が走る。
熱を持った傷は、次の瞬間には感覚を失っていく。
毒。
「あんたたちって、いつもこんなつまらない手を使うの?」
何もない空間からTristanが現れる。
空気そのものが歪んでいた。
「……何の話?」
「とぼけなくていい。」
Tristanは地面近くまで姿勢を落とし、短剣を構える。
「報酬は“品物”だけだけど、個人的なお返しもしておきたいんだよね。」
その瞬間。
Dianaの背後で空気が重くなる。
湿った闇。
Gloamspire Lanceから感じたものと同じUmbraの気配。
何かが来る。
避けなければ。
Dianaが横へ飛んだ直後、影から現れた“もう一人のTristan”が空間を切り裂く。
DianaもUmbra操作の訓練は受けていた。
ライフルも改良していた。
だがTristanは、その遥か先にいる。
Dianaが速度強化を行うのが精一杯なのに対し、Tristanは闇そのものから分身を編み出していた。
“Tristan was on another level.”
Dianaは、その差を理解してしまう。
さらに追い打ちのように、TristanのAutomatonアームが視界へ入る。
黄金模様の浮かぶ機械腕。
そこから噴き出すUmbraの闇。
短剣にも、衣服にも、その闇は纏わりついている。
視界は暗くなり始め、毒が全身へ広がっていく。
それでもDianaは戦い続ける。
だがTristanは止まらない。
赤い髪が月光の中で炎のように揺れる。
影。
毒。
分身。
嵐のような連撃。
Dianaは徐々に追い詰められていく。
Tristanの一撃が腹へ叩き込まれる。
同時に、腰のポーチが切り落とされる。
地面へ倒れ込むDiana。
数フィート先へ転がるライフル。
背中へ押し付けられるTristanの踵。
「それを持っていくな!
Obliviateがこの世界を壊そうとしてるって分かってるの!?」
Tristanはポーチの中身を確認しながら鼻で笑う。
「正義ごっこって、大抵金にならないんだよね。」
「金のために世界を滅ぼすの!?」
「じゃああんたは何のため?
楽しいからやってるわけ?」
Tristanは乱暴にDianaを蹴り飛ばす。
「説教したいなら、まず勝ってからにしなよ。」
Dianaは泥を掴みながら、自分の弱さを理解していく。
Claudeの力を拒絶した。
Arisannaの支援を断った。
自分自身の正義だけで戦おうとした。
だが届かなかった。
そして何より。
Tristanは、自分が拒絶したUmbraの力を使っている。
もしGloamspire Lanceを受け取っていたなら。
もし同じ力を使っていたなら。
少なくとも、ここまで一方的ではなかったのではないか。
「生き残れたら、次はもっとマシな戦い方しな。」
Tristanは笑う。
そのAutomatonアームから、激しい闇が脈打っていた。
「情けない。」
そしてDianaの視界は、完全な闇へ沈んでいく。
A Black Bloom
再びClaudeの前へ立った時、Dianaは目を合わせることができなかった。
机の上には、あのケースが置かれている。
Gloamspire Lance。
Claudeは何も聞かない。
Dianaは、自分が間違っていたことを理解していた。
正義だけでは足りない。
理想だけでは守れない。
Grand Archiveに選ばれたChampionであっても、届かない現実がある。
Tristanとの敗北が、それを突きつけていた。
そして何より辛かったのは、Tristanが“自分の拒絶した力”を使っていたことだった。
もしあの力を受け入れていたなら。
もしかしたら。
力そのものは、本当に悪なのだろうか。
たとえ闇であっても。
それを“守るため”に使うのなら。
それでも正義と呼べるのではないか。
Dianaは迷いながら口を開く。
「……あなたの贈り物を受け取りたい。」
暗い部屋の中で、Claudeは静かに頷く。
「最初から、君のものだった。」
その瞬間。
Dianaの物語は、新しい段階へ進み始める。
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